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第四回放送/あるいは終焉の幕開け(前編) ◆Vj6e1anjAc ――おはよう、みんな。0時の放送の時間よ。 仮眠も取ったことだし、ここからは今まで通り、私が放送を行うわ。 まぁもっとも、この放送もあと何度続くことになるか、分かったものじゃないのだけど…… ……フフ、ではまず、禁止エリアを発表させてもらうわね。 メモの準備はいい? こんなところまで来ておいて、自滅なんてされたら困ってしまうわ。 ……では、読み上げるわよ。 1時よりH-2 3時よりG-8 5時よりB-7 以上の3か所よ。 では続いて、これまでの死者を発表するわ。 アーカード 相川始 アレックス ヴィータ エネル クアットロ ヒビノ・ミライ 以上、7名。 この24時間を生き抜いたのは、合計12名よ。 ……まぁ、きっかり10名にならなかったのは、キリの悪い数字だと思ったけれど。 ペースとしては上々。さすがに1日で終わるなんてことはなかったようだけど、 これなら順調に終わってくれるかしら? 貴方達には、本当に感心させられるわね。 ……今回はここまででいいわ。 私が用意してあげたご褒美も、十分機能しているようだし。 じゃあ、せいぜい最後まで頑張ってちょうだいね。 貴方達の願い、そして私の目指すもの……どちらも成就するまであと一歩。 フフ……期待させてもらうわよ。 ◆ かくして4度目の放送は流れた。 最悪の1日は終わりを告げ、最悪の2日目が始まった。 24時間目の時報を耳にしたのは、合計12人の生存者。 僅か24時間のうちに、60人の参加者達は、実にその8割を喪っていた。 誰もが耳を傾ける。 誰もが放送を耳にする。 安堵、悲嘆、希望、絶望。 それぞれの思惑を胸に宿し、それぞれの感想を胸に抱く。 しかし此度の放送は、それまでに繰り返されたものとは、ある1点において違っていた。 ある者は全く気付かなかった。 ある者は気付いていたのかもしれない。 この放送に隠されたものに。 この放送が意味するものに。 そこに時計を持つ者がいて、その者が時計を見ていたのなら、容易に気付くことができたであろう。 現在時刻、0 10。 今回の放送は、これまでの放送とは異なり、予定より10分遅れて流れていた。 ――――――異変は、この時既に始まっていた。 ◆ 「もう間もなく放送の時間か……」 ぽつり、と呟いた女の声が、狭い一室に木霊する。 巨大なモニターとコンソールを前に、1人座っていた者は、プレシア・テスタロッサの使い魔・リニス。 青く澄んだ猫の瞳は、しかし今この瞬間は、失意の陰りに満ちていた。 第3回目の放送から、色々と試してみたものの、その結果は芳しくない。 彼女の有する権限の大多数は、主君によって凍結されていた。 部屋から出て問い詰めに向かおうにも、ドアにまでロックがかけられている。 とどのつまりは、完全なる手詰まり。 何もできず、どこへも行けず。 籠の中のカナリアのごとく。 プレシアの下した制裁は、リニスからこの殺し合いに介入する、あらゆる術を奪っていた。 (何が希望だ) 歯を軋ませる。 苦虫を噛み潰したような表情で、己自身を嘲笑う。 所詮自分の力などこんなものか。 こんなにもあっさりと、何もできなくなってしまうものなのか。 その程度の力しかない私に、一体どんな希望が与えられるものか。 何もできない。 何も変えられない。 こんな矮小な私などには、殺し合いを止めることも、参加者を救うこともできはしない。 広がりゆくのは心の暗黒。 自分の弱さと情けなさが、自身の心を苛んでいく。 罪を償うこともできないという事実が、自らの罪を思い起こさせ、良心の重荷を思い出させる。 何ができる。 何をすればいい。 私にできることがあるなら、今すぐにでも示してほしい。 籠の中のカナリアごときに、何かが変えられるというのなら―― ――がこん。 その、時だ。 「……?」 リニスの座るすぐ背後で、何かの音が鳴った気がしたのは。 聞き間違いでなかったとするなら、金具が落ちたような音だったはずだ。 否、自分に限って聞き違いはあるまい。猫の聴力は人間よりも高い。 ほとんど確信を持ちながら、ゆっくりとその身を振り返らせる。 分かっているのに振り返ったのは、音の主を知らないから。 音の質こそ分かっていたものの、その音が何によって奏でられたのかを知らなかったから。 故にそれを確かめるために、視線を音の方へと向け、 「よう」 その女と、対峙した。 そこに立っていた者は、燃えるようなオレンジの女。 橙色の長髪をたなびかせ、青い瞳を光らせる者。 そのコスチュームの露出度は高く、すらりと伸びた四肢の皮下には、くっきりと筋肉が浮かび上がる。 顔に浮かべるは不敵な笑み。左手に持つのは通気孔の金網。 そしてその頭には――リニスと同じ、獣の耳が生えていた。 「貴方は……アルフ!?」 は、としたような顔になり。 ほとんど反射的に椅子を蹴る。 額にじわりと冷や汗を浮かべ、後ずさるようにして立ち上がる。 どういうことだ。何故アルフがここにいるのだ。 フェイト・テスタロッサ諸共、自分達が殺してしまったはずの犬の使い魔が、何故こんなところに現れるのだ。 「何故貴方が――」 そこまで言いかけた瞬間。 「……っ!?」 身に感じたのは、物理的衝撃。 ぐわん、と視界が落下する。 膝が強制的に曲げられ、身体が勢いよく倒れる。 強引に押さえつけられた五体が、床に叩きつけられる硬質な感触。 巻き添えを食らった足元の椅子が、空中に放り出されたのを見た。 がたん、と椅子が落ちるのと同時に。 己の視界に差す影を認知し。 己を押さえこんだ者の正体を、目にした。 それはかの使い魔ではない。そこに眩しいオレンジ色はない。 そこに現れた者は――漆黒。 全身を黒ずくめの騎士甲冑で固めた女が、リニスの身体に馬乗りになって、首筋と右肩を押さえていた。 背中に生えていたものは、烏を彷彿とさせる艶やかな羽。 色素の抜け落ちたかのような銀髪と、血濡れのごとき深紅の瞳。 「リイン……フォース……!?」 やはり自らの手で殺したはずの、夜天の魔導書の管制プログラムが、目の前に姿を現していた。 ◆ 時は数分前にさかのぼる。 その時彼女らはその場所にいた。 リインフォースとアルフの2名は、相変わらず四つん這いの態勢で、時の庭園の屋根裏を移動していた。 《ホント、地図でも手に入ればよかったんだけどねぇ……》 溜息混じりに、アルフが念話でぼやく。 先ほどリインフォースがハッキングを行った時に閲覧できたデータは、爆発物の制御装置と謎の名簿。 地図などの有用なものが得られなかったばかりか、得たものも得たもので意味不明の代物。 そしてそのまま再び降りることもできず、こうしてただひたすらに、薄暗い屋根裏を徘徊している。 《もう一度降りられるといいのだが、これでは無理だな》 《そもそも2回目は向こうも警戒を強めてるだろうし……やっぱり別の方法を探るしかなさそうだね》 金網から眼下を覗くリインフォースに、アルフが言う。 彼女らがハッキングを途中で切り上げたのは、今まさに廊下を巡回しているものが原因だ。 元いた世界の海鳴市を滅ぼした、プレシアの軍勢に加わっていた卵型の機動兵器――ガジェットドローン。 あれさえいなければ下に降りることも可能なのだが、 いなくなるどころか、どうにも先ほどから少し数が増えたようにも見える。 とてもじゃないが、監視の目を盗んで端末にアクセスを……などと言っていられる状況ではなかった。 《一度どこかの部屋に入ってみるか? 何か使えるものがあるかもしれん》 そう提案したのはリインフォースだ。 《あー、それもいいかもね。そこならあの機械もいないかもしれないし》 言いながら、アルフの視界が眼下を探る。 近くに確認できる廊下の扉は、隣り合うようにして配置された2つ。 ひとまずは近い方の金網を目指すことにして、両者は移動を再開した。 そして数歩のうちに目的地へとたどり着き、2人のうちアルフが様子を窺う。 仮に中にガジェットや人がいた場合、降りた途端に見つかって、増援を呼ばれてしまう可能性があるからだ。 実際、そこには人が1人いたのだが、 《っ!? そんな……あれは、リニス……!?》 それがいるはずのない知り合いであったということは、さすがに予想だにしていなかった。 《知った顔か?》 《フェイトを教育してた、プレシアの使い魔だよ。でも何でだ? リニスは死んだはずじゃ……》 忘れがちだが、本来ならばリニスは故人である。 彼女はプレシアとの短い契約期間を満了し、元の屍へと戻ったはずなのだ。 にもかかわらず、彼女はここにいた。 生前と一切変わらぬ姿で、時の庭園の中に存在していた。 これは大いなる矛盾だ。まさかリーゼ姉妹のように、双子がいたというわけではあるまい。 《……リインフォース。情報を手に入れる方法が、もう1つあるよ》 《何だ?》 故にアルフはこう提案した。 《尋問》 リニスと向き合い、問い詰めることを。 彼女の生存とプレシアの意図、どちらも纏めて聞き出さねばならない、と。 ◆ かくして時間は現在へと戻る。 「久しぶりだね、リニス。こんな形で再会することになるとは思わなかったけど」 床に仰向けに押さえつけられた猫の使い魔へと、犬の使い魔が切り出した。 本当に、こんなはずではなかったことばかりだ。 死んだとばかり思っていたリニスと、こうして再会することになったことも。 その美しくも優しい教育係と、敵として対峙しなければならなくなったことも。 「あんた、何で生きてるんだ? 契約を完了した使い魔は、そのまま死ぬ宿命だったはずだ」 「私はリニス本人ではありません。 プロジェクトFの技術を応用して作られた、同じ容姿と記憶を持ったクローンに過ぎません」 「……そうかい」 寂しげに目を伏せ、それだけを呟く。 もしかしたら、とは思っていたが、どうやらそうも都合のいい話は存在しないらしい。 プロジェクトF――フェイトが生まれるきっかけともなった、記憶転写クローン技術。 その末に生まれたのがこのリニスだというのならば、 オリジナルのリニスは、やはりこの世にはいないということになる。 「いくつか聞かせてもらいたいことがある」 複雑な心境にあるであろう、アルフへの配慮だったのだろうか。 ちら、とアルフに目配せした後、リインフォースが問いかける。 そこからの尋問の主導権は、リインフォースが引き継ぐこととなった。 「まずは貴方の主人――プレシアについてのことだ。彼女はここで何かを行っているようだが……一体何を企んでいる?」 第一に確認すべきは、そこだ。 アルハザードへの到達を目的としていたプレシア・テスタロッサは、恐らくその悲願を達成した。 だとしたら、己の都合以外に一切の執着を持たないはずの彼女が、今更海鳴に攻撃を仕掛けるはずもない。 しかし現実として海鳴は滅び、高町なのはとのその関係者は、今ここにいる2名を除いて全滅した。 ならば、まだ何かある。 プレシアが何かしらの目的を持って、未だに暗躍していることになる。 最初に問いただすべきは、それであった。 「………」 返ってきたのは、沈黙。 微かな逡巡を湛えた表情と共に訪れる、静寂。 数瞬の間、その状態が続き、 《……私に話を合わせてください。この部屋もプレシアに監視されているでしょうから》 返ってきたのは、言葉ではなく念話だった。 《話を合わせる、ってのは、どういうことだい?》 不可解な言い回しに、アルフが問いかける。 監視されている可能性がある、という言葉には、さほど驚きは感じなかった。 ここが敵の本拠地であるのなら、ある程度は仕方がないと割り切れるからだ。 故にそれ以上に不可解なのは、リニスの持ちかけてきた提案。 話を合わせろということは、演技をしろということだ。 プレシアに従う身であるはずの彼女が、何故そのプレシアに本音を隠そうとするのか。 《私にはこれ以上、この件に干渉することはできません……ですから、貴方達に託そうと思います》 答えが返ってくるまでには、さほど時間はかからなかった。 《お願いです――彼女を、プレシアを止めてください》 ◆ そして真実は語られた。 伏せられていた情報の全ては、今ここに白日のもとに晒された。 プレシアがたどり着いたこの場所は、間違いなくアルハザードであったということ。 そこにたどり着いたにもかかわらず、未だアリシアは蘇っていないということ。 そのアリシアの復活のために、プレシアが今動いているということ。 そしてその手段として夜天の書を奪い、そのためにあの海鳴市を滅ぼしたということ。 「そんな……」 そして。 「アリシアを復活させるために、大勢の人間が殺し合わされているだって……!?」 それらの犠牲を払った末に、今まさに実行されていることさえも。 「何でだよ……どういうことなんだよ! そんな残酷なことが、死んだ人間の復活に繋がるのかよ!?」 しばし呆然としていたアルフが、一転し、激昂の様相を見せた。 今にも掴みかからんばかりの勢いで、リニスに向かって問いかける。 敵を尋問しているように見せるための演技――ではない。この怒りは彼女の真意だ。 まっとうな蘇生実験のために、フェイト達が犠牲になったというのなら、この際まだマシな方と言っていい。 だがその犠牲が、そんな無駄な殺し合いのために払われたというのなら話は別だ。 何故だ。 何故そんなことのために、フェイト達が殺されなければならなかった。 そんな無軌道な殺戮のために、何故愛しい主と仲間達の命が―― 「それが、繋がるんです。彼女が行っているのは、そういう儀式ですから」 「儀式?」 リニスの返事に反応を返したのは、やはりアルフではなくリインフォースだった。 基本的に、この場で一番平静を保っているように見えるのは常に彼女だ。 もっともその彼女自身もまた、プレシアの暴挙を許したわけではないのだが。 「今あの結界の中で行われている殺し合いこそが、アルハザードで確立されていた、死者を復活させるための儀式なのです。 60人の人間を戦わせ、敗れた59人分の生命エネルギーを利用することで……勝ち残った1人の肉体に魂を降ろす。 同時に肉体が生前のそれへと再構成されることで、完全なる死者蘇生は実現される」 「蟲毒だな、まるで」 古代中国の呪術の名を例に挙げ、言った。 もっともそちらの方は、虫や小動物を食い合わせて怨念を集め、猛毒を持った生物兵器を生み出すための呪法なのだが。 「そんなむちゃくちゃな……ここは仮にも、魔法の聖地なんて言われた場所なんだろう!?」 それでもなお納得できないといった様子で、アルフが反論する。 否、その感情の様相は、先ほどとはまた異なるものとなっていた。 プレシアの暴挙に対して抱いたものが怒りなら、今この瞬間抱くものは困惑の二文字。 優れた魔法技術を有したアルハザードの様式にしては、その方法はあまりにも野蛮で、あまりにも前時代的だ。 魔法のまの字すら見えないこの儀式が、アルハザードの正統な技術であるなどと、一体誰が信じられるものか。 「だからこそ、なのです。 リインフォース……蟲毒などという術を知っているのならば、地球に存在する生け贄の儀式のことも、聞いたことがあるのでしょう?」 「ああ。アステカ、インカ、中国……日本でも行われていた時期があったようだな」 「地球の場合、多くは神への貢物として行われていたようですが…… あの世界を含む、リンカーコアを制御する術を持たない世界のうちのいくつかでは、超常の力を発揮するために、 生け贄という形で肉体を損壊することで、強引に生命エネルギーを流出させる手段を取っていたのです」 「成る程……言わばあれらの風習もまた、超原始的な魔法だったということか」 アステカの生け贄が、神を動かす力となったように。 蟲毒の生き残りが、怨念を猛毒へと昇華させたように。 「にしたって60人って数は……あまりにも、多すぎる」 「完全な死者蘇生のためには、それほどの途方もない力が必要だったということか」 そもそも死者を復活させるということは、あの世から死者の魂を連れ戻すということだ。 そしていかに科学や魔術が発展した世界であっても、少なくともアルフ達管理世界の住民が知る限りでは、 現世から冥界へと至る術を発見した世界は、未だない。 彼岸と此岸の境界とは、それほどに強固なものなのだ。 途方もないほどに強固な壁を越えるには、途方もないほどの代償を払わければならないということだ。 《……事情は分かったよ。理解したくないけど、理解しなけりゃいけないってことが分かった》 眉間に皺を寄せながら、毛髪の奥の頭皮を掻く。 不機嫌そうな表情のまま、アルフがリニスへと念話を送る。 《では……》 《もちろん、最初からそのつもりさ。プレシアはあたし達が止めてくる》 全て納得したと言えば、嘘になるだろう。 正直な話、未だに唐突感はぬぐい去れない。あまりにも荒唐無稽すぎる話には、未だ理解が追いつかない。 それでも、自分達はここに理解をしに来たのではないのだ。 自分達がここに来たのは、プレシアの真意を問いただし、ろくでもないことを企んでいるのなら、それを止めるためなのだ。 そして今まさに行われていたことが、そのろくでもないことであることは理解できる。 ならば、この際細かいことはどうだっていい。 今すぐプレシアの所へ殴り込み、このふざけた儀式とやらを止めるしかない。 既に何人もの人間が犠牲になっているというのなら、なおさらのことだ。 《使い魔リニス。この施設の見取り図があったら、見せていただけないだろうか》 「この施設の見取り図がほしい。今すぐそのモニターに映せ」 念話による本音では、穏便に。 肉声による演技では、威圧的に。 2つの言語を同時に駆使して、リインフォースが要求した。 「分かりました」 その両方に、いっぺんに応じる。 銀髪の融合騎の要求に、山猫の使い魔が応答を返す。 《窮屈だろうが、我慢してくれ》 念話で前置きをしながら、リインフォースがリニスを強引に立たせる。 首元に添えた手はそのままだ。建前上は脅迫している身なのだから、拘束を解くわけにはいかない。 かくして彼女らはモニターへと向かう。 倒れた椅子はそのままに、立った状態でコンソールを叩いた。 かちかち、とキーボードを弾く音が響いた後、モニターに映し出されたのは時の庭園の見取り図。 リインフォース達にとっては、実に6時間もの長きに渡って待ち望んだ代物だ。 「確認した」 言うと同時に、リインフォースの手が伸びる。 細く滑らかな指先が、コンソールの端子へと触れる。 一瞬、ぴか、とその肌が光った。 魔力光が瞬くと同時に、モニターに新たなウィンドウが開く。 コピー完了――魔法術式タイプのコンピューターの特性を利用し、自らの内にデータを取り込んだ結果だった。 もちろん、それだけではアルフが地図を使えない。 故に適当な棚から、リニスに携帯端末を取り出させデータを出力し、それをアルフに投げて渡す。 「あとは……そうだな。参加者を拘束している首輪の制御装置はどこにある?」 残された問題は、例の爆発物管理プログラムの正体――参加者に架せられた爆弾首輪だ。 先ほどのハッキングではプログラムの存在こそ確認できたものの、それをどうこうすることは不可能だった。 そしてあれをどうにかしない限りは、参加者をフィールドから逃がすことなど、不可能と言っていい。 地図にそれらしきもののある部屋の名前が確認できなかった以上、その所在を問いただす必要があった。 「首輪はプレシア自身が管理しています。制御システムも、彼女の部屋に――」 ――その、刹那。 「ッ!?」 世界の様相は一変した。 視界は赤一色に満たされ、静寂は爆音に塗り潰された。 ちかちかと点滅する非常灯。 けたたましく鳴り響くサイレンの音。 話声以外の音もなかった一室が、一瞬にして音と光の嵐へとぶち込まれた。 「これは……!?」 誰が口にしたのかも分からぬ、戸惑いの声が上がるのも束の間。 「!」 ぷしゅっ、と短く鳴る音と共に、部屋の自動ドアが開く。 中から開いたのではない。扉はプレシアによってロックされている。 であれば、答えは簡単だ。 外から強制的に開けさせられたのだ。 「こいつら……!」 扉の向こうに並ぶのは、見渡すばかりの鉄、鉄、鉄。 卵を彷彿とさせる楕円形に、触手のごとく伸びた赤いケーブル。中央に光る黄金の瞳は、瞬きするかのように明滅する。 ガジェットドローンの大軍だ。 巡回を行っていた機動兵器達が、一斉にこの部屋へと押しかけてきたのだ。 「――バルディッシュ!」 刹那、咆哮。 凛とした雄叫びが上がると共に、黄金の光が赤を切り裂く。 稲妻を宿した魔力光が、一瞬非常ライトを上から塗り潰した。 声の主――使い魔リニスの手に握られていたのは、漆黒の煌めきを放つ長柄の斧。 アルフの主人が生前用いていたものと、寸分違わぬ姿を持った、閃光の戦斧・バルディッシュ。 「はぁっ!」 声を上げている暇などなかった。 姿を知覚した瞬間には、既に動作に移っていた。 跳躍。疾駆。接近。斬撃。 カモシカのごとく両足をしならせ、敵に飛びかかりデバイスを振るう。 「リニス!?」 アルフが声を上げた時には、既に1機のガジェットが破壊されていた。 返す刃で次なる標的を切り裂き、改めてバルディッシュを構え直す。 黒光りする切っ先越しに、山猫の双眸が機械兵を睨む。 「ここは私が引き受けます! 貴方達は隣の部屋に!」 「えっ……!?」 「この兵器達の放つフィールドには、魔力結合を阻害する効力があります。 遠距離攻撃は不利です。隣の武器庫から、リインフォースの武器を調達して行ってください!」 もはや演技をしている余裕はなかった。 否、リニスの安否を無視して兵力を送った以上、大方プレシアにはばれていたのだろう。 取り繕っていた体裁をかなぐり捨て、リニスがリインフォースらに向かって叫ぶ。 そしてその言葉を聞いて、彼女らは一瞬忘れかけていた、敵の特性をようやく思い出した。 あの金眼の兵器には、魔法を無力化させる能力が備わっていた。 どういうからくりなのかが今までずっと気がかりだったが、なるほどそういうことだったのか。 「でも、1人で大丈夫なのかい? バルディッシュが近接戦タイプだからって……」 「見くびらないでくださいよ。これでも、フェイトの先生だったんですから」 不安げなアルフを笑い飛ばすように。 無粋なことを、と言いたげに、リニスが強気な笑みを浮かべる。 それでも、未だ不安は消えない。 いくら敵がガジェットだけでなかったからとはいえ、そのフェイトの敗北を目の当たりにしたからには、安心できるはずもない。 確かにこのロボットそのものの耐久力はそう高くない。自分で殴り壊したからこそ分かることだ。 だがそれでも、いくら何でもこれほどの数を前に、1人で戦えるものなのだろうか。 「やむを得ないか……ここは頼む。行くぞ、アルフ」 「……ああ」 それでも、今は行くしかない。 でなければせっかく足止めを買って出てくれた、リニスの意志が無駄になる。 ここでまごついているうちにも、更なる犠牲者が出てしまうかもしれないのだ。 無理やりに自分を納得させ、アルフはリインフォースの後に続いた。 部屋を出て、すぐ隣にあったドアを開く。 先ほどちらと見た地図によれば、この部屋は殺し合いを行う際に必要となる、支給品とやらの転送室らしい。 転送する武器の選別は、現在はランダムかつオートとなっているらしく、人の影は見当たらない。 障害がないことを幸いとし、室内に並べられた武器を物色。 「……これがよさそうだな」 そう言ってリインフォースが手にしたのは、一振りの日本刀だった。 剣を選んだのは、ヴォルケンリッターの烈火の将・シグナムが剣の使い手だったからだ。 彼女の魔法・紫電一閃は、純粋魔力ではなく、魔力変換によって生じた火力を纏うものである。 魔力結合を阻害するガジェット相手には、ただの斬撃よりも有効と言えるだろう。 故にシグナムの技を再現すべく、数ある武器の中からそれを選んだというわけだ。 ただの刀が紫電一閃の火力に耐えられるのか、とも思ったが、どうやらこの刀、見た目以上に頑丈らしい。 元々の持主たる異界の戦国武将・片倉小十郎が、この刀に雷を纏わせて戦っていたのだから、当然と言えば当然なのだが。 「よし、行くぞ」 「分かってる。……リニス! あたしらが戻るまで持ちこたえてくれよ!」 部屋を出たアルフが最初に口にしたのは、ガジェットの大軍と戦うリニスへの呼びかけだった。 そしてそれに対して返されたのは、彼女の無言の頷きだった。 今はそれで納得するしかない。 リインフォースらは彼女に背を向けると、すぐさま戦線を離脱する。 硬質な廊下の床を蹴り、傍らの見取り図を見やりながら、時の庭園内部を走っていく。 目標は2つ。 今回の事件の首謀者であり、首輪の制御装置を保有しているプレシアの部屋。 奪われた夜天の書が利用されているという、殺し合いのフィールドを生成する動力室。 それぞれ最上階と最下層――PT事件を体験したアルフにとっては、一種懐かしささえ思わせる状況だった。 「リインフォース。ここは二手に分かれよう」 そしてそのアルフが切り出したのは、またしても当時を想起させる提案だった。 「二手に……?」 「今は一分一秒が惜しい。あんたが地下の動力室を目指して、あたしがプレシアの部屋に向かうってのでどうだ」 「正気か? プレシア・テスタロッサの実力は、あの機械の比ではないのだろう……?」 不可解な進言に、リインフォースが眉をひそめる。 本業は科学者であるとはいえ、プレシアはSランクの魔力を有した大魔導師だ。 まさかガジェット同様のフィールドを張るなんてことはないだろうが、それ以上に地力の差が桁違いである。 事実として、アルフは以前プレシアに反旗を翻した際に、完膚なきまでに叩きのめされていた。 理論上はその方が手っ取り早いとはいえ、どう考えても自殺行為としか思えない判断だ。 「夜天の書を取り返すことができれば、あんたもいくらか本調子を取り戻せるんだろ? 心配なら、早く夜天の書を取り戻してきて、あたしを助けに来ておくれよ」 返ってきたのは、不敵な笑み。 にっと笑った表情は、先ほどのリニスのそれとも似通っていた。 なるほど確かに、言われてみれば、リインフォースは夜天の書を奪われたことで、未だ本力を発揮できずにいる。 その調子で2人がかり挑んだとしても、確実に勝利できるとは言い難いだろう。 とはいえ2人で夜天の書の奪還に向かえば、その隙に参加者達を殺されてしまう。 ならばここはアルフが注意を引きつけることで、本命のリインフォースに繋ぐのが最も確実だ。 「分かった……お前も、それまで死なないでいてくれよ」 「おうともさ」 それが最後のやりとりとなった。 階段にさしかかったところで、両者はそれぞれの道へと別れる。 犬の使い魔は上を目指し。 銀の融合騎は下を目指す。 互いの目的を達成し、再び共に戦うために。 あの忌まわしき魔女を打倒し、最期の悲願を果たすために。 ◆ Back Ooze Garden(軟泥の庭) 時系列順で読む Next 第四回放送/あるいは終焉の幕開け(後編) Back Ooze Garden(軟泥の庭) 投下順で読む Back Ooze Garden(軟泥の庭) プレシア・テスタロッサ Back 暗躍のR/全て遠き理想郷 リニス Back 暗躍のR/全て遠き理想郷 リインフォース Back 暗躍のR/全て遠き理想郷 アルフ Back 第三回放送 オットー ドゥーエ
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《狂気の大魔導師“プレシア・テスタロッサ”》 魔法使い/女 ●5/3 攻撃力 5/耐久力 5 イラストレーター:十野弥生 セットアップ ●2/1:このエフェクトのコストとして支払ったカード1枚を、裏向きのまま場に出す。 そのカードは攻撃力1、耐久力1のキャラクターとして扱う。 その優しさが彼女を壊してしまった。物言わぬ愛娘と存在しない理想郷を求め、 大魔導師は狂気を深めてゆく。「アルハザードに辿り着ければ……!」 ・考察etc ここに記入する予定です。
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精神コマンド 初 3 10 22 31 40 信頼 感応 不屈 祝福 熱血 任意 特殊スキル LV 格闘 射撃 支援 ステータス 初 斬り返しPN打破 幻影 気配察知 15 意気揚々 堅忍不抜 24 百発百中 武運長久援護攻撃援護防御 移動拡大闘争本能 39 免許皆伝 ステータス LV 格闘 射撃 命中 回避 SP PN 1 95 95 41 45 35 41 10 104 104 58 62 50 55 20 116 116 80 84 69 79 30 130 130 104 108 90 110 40 145 145 129 133 112 147 50 165 165 159 163 139 194 +... LV 格闘 射撃 命中 回避 SP PN 備考 1 95 95 41 45 35 41 初期LV 2 96 96 43 47 37 42 3 97 97 45 49 38 44 感応 4 98 98 47 51 40 45 5 99 99 48 52 41 47 6 99 99 50 54 43 48 7 100 100 52 56 44 50 8 102 102 55 59 47 52 9 103 103 57 61 48 54 10 104 104 58 62 50 55 不屈 11 105 105 61 65 52 58 12 106 106 63 67 54 60 13 107 107 65 69 55 62 14 109 109 68 72 58 65 15 110 110 69 73 59 67 スキル2 16 110 110 71 75 61 69 17 112 112 74 78 63 72 18 113 113 76 80 65 74 19 114 114 78 82 66 76 20 116 116 80 84 69 79 21 116 116 82 86 70 82 22 117 117 84 88 72 84 祝福 23 120 120 88 92 75 89 24 121 121 90 94 77 91 スキル3 25 122 122 91 95 78 94 26 124 124 95 99 82 98 27 125 125 97 101 83 101 28 126 126 99 103 85 103 29 129 129 103 107 88 108 30 130 130 104 108 90 110 31 130 130 106 110 91 113 熱血 32 133 133 110 114 95 118 33 134 134 112 116 96 121 34 135 135 114 118 98 124 35 138 138 117 121 101 129 36 138 138 119 123 103 132 37 139 139 121 125 104 135 38 143 143 126 130 109 141 39 144 144 128 132 110 144 スキル4 40 145 145 129 133 112 147 任意精神 41 148 148 134 138 116 154 42 149 149 136 140 118 157 43 150 150 138 142 119 161 44 154 154 143 147 124 167 45 155 155 144 148 125 171 46 155 155 146 150 127 174 47 159 159 151 155 131 181 48 160 160 153 157 133 184 49 161 161 155 159 134 188 50 165 165 159 163 139 194 60 173 173 177 181 154 234 70 181 181 195 199 164 244 80 189 189 213 217 174 254 90 197 197 231 235 184 264 99 204 204 248 252 193 273 ステータスなど ステータス全般的に低く、命中率や攻撃力がさほど期待できない。 精神コマンドなんといっても祝福の存在が大きい。 祝福なら味方の操者の育成の自由度が増し資金稼ぎもできるところが良い。応援も併用すると効果大。 そんな観点から操者育成としても活躍できる。同じく祝福を持つロザリーともども育てたいところ。 壁役として有用な不屈や、低い命中を補える感応も有用。 自由枠は特にこれといったものはなく、なんでもいいだろう。 特殊スキルLV15で習得する固有スキルの堅忍不抜がとても有用なスキル。 このスキルでディアブロの壁役としての適正が飛躍的に上昇。部隊の守り手として活躍する。 次いでのおすすめは幻影、援護防御。側面や背面攻撃に備えての気配察知と免許皆伝。 ディアブロの移動力を補う移動拡大もあると便利。 逆に攻撃や命中系のラインナップはイマイチ。PN打破と免許皆伝を組み合わせるくらい。 コメント ディアブロ操者で父は剣皇ゼオルート、その養子のマサキとは兄妹関係。魔装機操者ではレギュラーメンバー。今作でも使える精神とイマイチなステータスは相変わらず。 今作では堅忍不抜を持つ唯一の操者。このスキルを伝授したシュウも前作なら持っていた。 前作ではルートのひとつで物語に大きくかかわったためか、今回は少々出番が少なめ。
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ルール:アリアンロッドRPG 区分:帝国の光と闇2E PL:雪 【基本情報】 名前:リニス=フィンフィット 愛称:リニス 年齢:不明 外見年齢:4 性別:女 種族:エルダナーン クラス:アコライト/ガンスリンガー CL:5 出自:遺跡荒らし 境遇: 目的: 追加:感覚過敏 一般スキル:ファインドトラップ 性的スキル:センシシティビティ 【所属ギルド】:神聖ヴァンスター帝国 【基本能力】HP+5 MP+6 HP:53 MP:63 EP:61 フェイト:5 移動力:7 クラス 基本: B :M/S: 他 :合計 筋力 10: 3 : / : : 3(2D) 器用 18: 6 :1/1: : 8(2D) 敏捷 15: 5 : / : : 5(2D) 知力 10: 3 :1/ : : 4(2D) 感知 15: 5 : /1: : 6(2D) 精神 11: 3 :1/1: : 5(2D) 幸運 7: 2 : / : : 2(2D) 【スキル】 スキル名 :L/限: タイミング :判定: 対象 : 射程 :コスト:効果 【種族】 <フォティテユード> :1/1:パッシブ/M: : 自身 : : :最大MP+5 【アコライト】 <プロテクション>魔術 :5/5:ダメージ直後:自動: 単体 :20m: 3 :1メインに1回、受けるダメージ-(SL)D <アフェクション> :1/1:ダメージ直後:自動: 単体 :20m: :1シナリオに1回、受けるダメージを0にする 【ガンスリンガー】 <キャリバー> :1/1: アイテム : : 自身 : : :キャリバーを1個取得する <ガンパード> :5/5: アイテム : : 自身 : : :キャリバーを双・重量6にし、攻撃力+「SL×3」する <アームズマスタリー:魔導銃> :1/1: パッシヴ : : 自身 : : :キャリバーの命中判定+1D <デスターゲット> :1/1: マイナー : : 自身 : : 6 :キャリバーのダメージ+【敏捷】 <カウンターショット> :1/1: 判定直後 :命中: 単体 : 武器 : :1シナリオに1回、キャリバーの命中判定で対象の命中を上回ったら失敗にする <ファイトバック> :2/3:リアクション:命中: 単体 : 武器 : 5 :1シーンにSL回、キャリバーの命中判定で対象の射撃か魔法の命中を上回ったら「CL×5」のHPロスを与える。自動命中する。 【一般】 <ファインドトラップ> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :トラップ探知判定+1D、失敗してもトラップは作動しない <フェイス:グランアイン> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :与えるダメージ+2 <トレーニング:筋力> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :【筋力基本値】+3 <トレーニング:敏捷> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :【敏捷基本値】+3 <トレーニング:器用> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :【器用基本値】+3 <トレーニング:感知> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :【感知基本値】+3 【性的スキル】 <センシシティビティ> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :与える性的ダメージに+【感知】し、【性的防御力】を-【感知】する。 <エロダナーン> :5/5: パッシブ : : 自身 : : :あなたが与える性的ダメージと受ける性的ダメージに+[SL×2]する。 <プロスティテュート> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :プリプレイにあなたの所持金が[【器用】×100]G増える。 <オーラルエキスパー> :1/1: パッシブ : : 自身 : : :あなたが口を用いて行う愛撫攻撃で与えるダメージに+CLする。 <フォーティエイトトリック> :1/1: マイナー : : 自身 : : 5 :性的攻撃のダメージ+【器用】 <ホワイトアウト> :1/1: 効果参照 :自動: 自身 : : :1シナリオに1回、性的攻撃と同時に宣言し、単体にして性的攻撃のダメージ+「CL×5」する ゲッシュ : 恩恵 : 制約 : 天罰 : <忍耐の誓い>:命中+1D:回避しない:受けるHPロスとMPに+「CL×5」する 【戦闘データ】 能力: 装備 :スキル:その他:合計(ダイス数) 命中判定 : 8 : +2 : :+2D:10(4D) 攻撃力 : :+26: +2 : :28(2D) 回避判定 : 5 : -1 : : : 4(2D) 物理防御力: :+16: : :16 魔法防御力: 5 : -1 : : : 4 行動値 :11: +1 : : :12 移動力 : 8 : -1 : : : 7 【性的戦闘データ】 能力: 装備 :スキル:その他:合計(ダイス数) 性的命中 : 8 : +1 : :+2D: 9(4D) 愛撫攻撃力: 8 : :+23: :31(2D)口以外は26 結合攻撃力: 3 : :+18: :21(2D)(反動時の結合攻撃力は3) 性的回避 : 5 : -1 : : : 4(2D) 性的防御力: 5 : : -6 : :-1 【装備品】 装備品 :重量:命中:攻撃力:回避:防御力:魔防御:行動:移動: 射程 :備考 右手 : 銀の魔鍵 : 6 :±0:+23: : : :±0: :10m:至近可能、キャリバー相当 左手 : : : : : : : : : : : 頭部 : 赤のリボン×2 : 2 :+1: : : +3 : : :-1: :闘士のバンダナ相当 胴部 : 濃紫のドレス : 2 : : : : +9 : :+1: : :フェザーアーマー相当・露出衣装1 補助防具: 黒スパッツ : 3 :+1: :-1: +4 : -1 : : : :真紅の腕輪相当 装身具 :赤紫のブーツ手袋: 1 : : +3 : : : : : : :鷹の目相当 乗物 : : : : : : : : : : : 合計 : 6/8:+2:+26:-1:+16: -1 :+1:-1: : 【所持品】 道具名 : 種別 :重量:個数:効果など 耐毒符 : 呪符 : 1 : 1 :1シーンに1個だけ、毒を受けた瞬間に毒を回復する 理力符:闇 : 呪符 : 1 : 1 :マイナーで使用。武器のダメージを闇の魔法ダメージにする ベルトポーチ : 収納 : 0 : 1 :所持可能重量+2 異次元バック : 収納 : 0 : 1 :所持可能重量+10 小道具入れ : 収納 : 0 : 1 :重量1の道具を最大5個まで0として持つ ポーションホルダー: 収納 : 0 : 1 :重量1のポーションを最大5個まで0として持つ 冒険者セット : 道具 : 5 : 1 :野営道具・ロープ・ランタン・火打ち石 小型ハンマー : 道具 : 2 : 1 :くさびを使用できるようになる くさび : 道具 : 1 : 5 :重量0、判定直前、トラップ解除+1 ハイHPポーション:ポーション: 1 : 6 :マイナーで使用。HPを4D回復する ハイMPポーション:ポーション: 1 : 6 :マイナーで使用。MPを4D回復する 万能薬 :ポーション: 1 : 5 :重量0、マイナーで使用。全BSを回復する 重量合計 :21/10+12 所持金:8485G 【その他設定】 宝石とフリルが大好きなエルダナーンの幼女。本来の年齢は不明。 少々勝気で元気のいい性格で、大阪弁と京都弁を合わせた様な言葉遣い。 無数の遺跡を荒らしては宝石を持ち帰り、ドロップを売って宝石を買う。 それでも足りないとフェラ専用の幼女娼婦として働き稼ぐ。 下着類は一切はいてない、また赤や紫を基調としたフリフリのドレスを好む。 銀の魔鍵による小さな鍵による砲撃と防御魔法そして鍵による妨害を得意とする。 基本的にはソロが多いが、仲間と組む事も多い。 【外見設定】 一人称:ウチ 二人称:あんさん 身長:97cm 髪の色:黒紫 瞳の色:紫 肌の色:色白 【成長記録】 経験点:<エロダナーン4> <プロスティテュート><オーラルエキスパー><フォーティエイトトリック><ホワイトアウト> <トレーニング:器用><トレーニング:筋力><トレーニング:敏捷><トレーニング:感知> 1Lv:感知1・器用3・精神1・プロテクション2・アフェクション・キャリバー・ガンパード1・フェイス:グランアイン・エロダナーン1 2Lv:器用・敏捷・感知・プロテクション3・ガンパード2・アームズマスタリー:魔導銃 3Lv:器用・敏捷・感知・プロテクション4・ガンパード3・ファイトバック1 4Lv:器用・敏捷・感知・プロテクション5・ガンパード4・ファイトバック2 5Lv:器用・敏捷・感知・デスターゲット・ガンパード5・カウンターショット
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掲示板 http //nanohasan.jp/movie1stupld/imgboard.cgi ランク表 SS EDのなのはと嫁の全裸 S 嫁の尻、変身中のなのはの生胸、淫獣の正体を知ったなのは AAA+ なのはとその嫁の変身の例のシーン リンディ提督舌舐めずり 顔もしくは顔を含む姿がはっきりアップで映っているシーン限定 AAA 名前を呼んで ~ リボン交換 のなのはとその嫁 フェイトの笑顔 AA+ なのはとその嫁の変身or戦闘or名シーン なのは友人ズ (限定解除)なのはとその嫁の大魔法発射シーン(SLB・スパークエンド等) さらに正面限定 AA なのは笑顔orその嫁のレイプ目アリシア笑顔 A+ なのは笑顔orその嫁のレイプ目以外 A アルフ リンディ デレシア 「はっきり・正面」の限定解除 B なのはとその嫁の変身or戦闘or名シーン (多少放熱煙やデバイス・瓦礫等で隠れていたり、見きれている程度) レイハさんDB・SLB C なのはとその嫁 なのは友人ズ アルフ リンディ デレシア アリシア 人間形体リニス 全限定解除・新たな限定条件付加 直にフィルムを見て表情が確認できる程度の大きさのキャラが存在 D 上記に該当しない、なのはとその嫁の変身or戦闘or名シーン E 上記に該当しない、なのはとその嫁、なのは友人ズ、アルフ、リンディ、デレシア、人間形体リニス、高町家の人々 F クロノ、人間形体ユーノ君 全限定解除 G 山猫リニス、淫獣ユーノ、犬アルフ、プレシア H 肉眼では表情の確認困難なフィルム全般 I ジュエルシード J 本社の研究員 超えられない壁 Z スレ24-1 510 番外(ネタ的) AAA+淫獣ユーノアップ、広域結界ユーノ、壊れたプレシア SS悩めるエイミィ SSSフェレットの飼い方
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月明かりの下、空に浮かぶは二人の少女。 お互いにその手に相棒であるデバイスを携え、自分達に出来る事は無いかと戦場を見下ろす。 二人の眼科で激しい戦闘を繰り広げているのは、赤き戦士クウガと。 人の命を奪う異形。またの名を未確認生命体第45号――ゴ・バベル・ダ。 眼下、駆け出したクウガの脚には赤き炎が宿り、バベルの眼前で舞い上がる。 同時に振り上げられたハンマーは、クウガが突き出した脚と激突。 刹那、なのはの耳朶を叩いたのは、爆発音。その視界が捉えたのは、周囲を覆う爆炎。 「五代さん……!?」 「なんて威力……!」 二人が声を上げるのはほぼ同時。 クウガのキックにより巻き起こされた爆炎を見るに、その威力は想像に難くない。 しかし、二人にその威力に感嘆している暇は与えられない。 常に戦場は変わり、クウガは既に次の行動へと移っているのだから。 二人の視界の先、爆炎を引き裂いて飛び上がったのは、先程蹴りを放った赤き鎧。 クウガの脚には再び赤き炎が宿り、視界が覚束ない煙の中へと急降下していく。 響いたのは叫び声。それと同時に煙が晴れ、二人の視界を遮るものは無くなる。 眼下で苦しんでいたのは、巨大な赤い紋章をその身体に打ち込まれたバベルの方だった。 方膝をアスファルトに付き、胸を押さえるバベルを見るに、苦しんでいる事が窺える。 これがクウガの力。とんでもない強敵だと考えていた筈の相手にこれだけのダメージを与えられる。 なのははごくりと、生唾を飲み込んだ。 「凄く強い……あれがクウガの力」 「いや、敵もまだ負けてない」 フェイトの言う通りだった。 つい先刻まで苦しんでいた筈のバベルの身体を、黄金の稲妻が駆け巡る。 それはすぐにバベルの力の一部となって、クウガに打ち込まれた紋章を打ち消したのだ。 未確認生命体というだけに、その力も未知数なのだろう、と判断する。 そんな二人の戦いをまじまじと凝視していたフェイトが、一言呟いた。 「なのは……私達に出来る事、何かあるかな……?」 「そうだね……今は五代さんの戦い方を見て、必要そうなら助けに行く。でも――」 フェイトの顔へと視線を向ける。同じく、フェイトも自分へと向き直っていた。 やはり、二人とも考えている事は同じらしい。 この戦いに、自分達が入って行く余裕などあるのだろうか。魔法さえ通用しなかった相手に、自分達は何か出来るだろうか。 答えは、否だ。自分達は恐らく、純粋な未確認との戦闘に介入する事は不可能だろう。 出来ることと言えば、クウガのサポート。それくらいだろう。 しかし、それは決して不要なものでは無い。たった一人で戦ってきた雄介にとって、必要不可欠なものなのだ。 そうだ、かつてのクウガの仲間――警視庁の人々がしてきた事と同じ役を、ここでは彼女たちが務める。 そう考えながら、見下ろす眼下。ゴウラムが合体したバイクが、未確認を突き飛ばした。 恐らくこのままの勢いで戦えば、この未確認生命体相手にクウガはこれ以上苦戦はしないだろう。 それが二人の共通した考え。そして、その予測は正しかったという事が、ものの数分後に証明されるのであった。 EPISODE.12 驚異 次元空間航行艦船アースラ、医務室―――09 32 p.m 戦いの決着から数時間。 つい先刻まで戦場と化した街に居た者たちが、この医務室に集まっていた。 まずはなのはとフェイト。それから後から合流したはやてに、クロノとリンディ。 なのはもフェイトも、体に目立った外傷はない。というよりも無傷といって良かった。 されど、一同の表情は曇ったままだった。 曇った表情で一同が見詰めるのは目の前に提示された一枚のレントゲン写真だ。 それは以前にも見た事がある写真。否、以前よりもさらに悪化しているように見えたのは気のせいではないのだろう。 普通の人間と比べれば、明らかに異質。腹部にアマダムを埋め込まれ、そこから全身へと神経状の組織が伸びた男の写真。 「神経組織が、前よりも入り組んでる……」 「雄介君、もしかしてまたクウガに変身したから……?」 「見たところアマダムの傷もほぼ完全に回復しているみたいだし……その可能性は高いでしょうね。」 リンディが指さす先。それは、全身へと神経組織の中央に位置するアマダム。 以前はヒビだらけだったというのに、今はその面影すら感じられない。 ヒビと言える傷は何処にも見当たらず、まさに完全回復したと言うに相応しいアマダムの映像だった。 何と言えばいいのか解らない。そんな沈黙が、一拍の間を置かせる。 この時の彼女たちには、それも仕方がないことだった。 そして、沈黙を引き裂くように現れたのは、いつも周囲を明るくしてくれる、そんな笑顔の持ち主。 「いやぁ~……なんかごめんなさい、心配かけちゃって」 「五代さん、もう検査は終わったんですか?」 「はい、もう全然大丈夫。体調も万全って感じです!」 重い空気をブチ壊すような明るい声。 この声を聞いていたら、不思議と表情が緩んでしまうのにも、もう慣れ始めていた。 さっきまで曇っていた表情を、安心という感情が自然と明るくさせる。 クウガとしての戦闘終了後、念の為に細かい身体検査を受けていたという。 と言っても、雄介の身体には、回復したアマダムと神経組織以外は、異常と言える異常は何ら見当たらなかった訳だが。 しかし、雄介が何よりも心配していたのは、自分の身体の事では無い。 「あ、そういえばなのはちゃん、フェイトちゃん、大丈夫だった?」 「え、大丈夫って何がですか?」 「いや、ほら……あの爆発で、もしかしたら怪我でもしちゃったんじゃないかなって……」 「それなら大丈夫だよ。爆発に巻き込まれる前にバリアを張ったから!」 「そっか……良かった」 バツが悪そうに言う雄介に、なのはが笑顔で答える。 自分の所為で、護りたい筈の誰かが怪我をしてしまうのは、雄介にとっては耐えがたい事だ。 見た所大丈夫そうではあったが、もしもなのはやフェイトがあの爆発に巻き込まれて、少しでも怪我をしていたら。 そんな考えが自然と雄介の心を締め付けていた。 しかし、そんな心配も必要なかったらしい。何せ二人は魔導師、魔法使いなのだ。 勿論雄介の知らない技術で、自分の身を守ることだって出来る。雄介は、安心にほっと胸を撫で下ろした。 「それより五代さん……あの爆発は一体何なんだ? 人に被害が出なかったから良かったというものの、一歩間違えれば大変な事になっていたんだぞ」 「そう……ですよね。もしも皆さんが結界を張ってくれなかったら、俺は誰かを……」 クロノの言葉に、雄介が肩を落とす。 誰も傷つけなかったから良かったとは言っても、やはり雄介にとっては落胆せずにはいられない。 確かに逃げられる前に、45号を倒したかった、というのが本音だった。 だが、その為に守るべき誰かを傷つけてしまっては、話にならない。 「その結界も、あの時の爆発で飽和状態となり、破壊されてしまった。 五代さん……どういうことなのか、説明してくれますか?」 リンディが問う。 クロノに比べれば幾分か優しい口調になってはいるが、それでも尋問されているような気分だった。 不意に、周囲を見渡した。自分へと向けられる眼は、何かを問い詰める時の人間の眼だ。 こればっかりはふざけている場合ではないのだろう。それは雄介にも解る。 隠す理由もない、正直に話そう。それが雄介の考えだった。 「金の力で未確認を倒すと、あんな風に……大爆発しちゃうんです。俺にも何でかは解りませんけど」 「金の力……って言うと、何のことかしら?」 「あ、戦闘の途中でクウガの身体の色が変わりましたよね?」 「……そういえば、途中から青くなってたけど……それの事?」 「うん、それが青のクウガ。その上に、さらに金の力って言うのがあるんだ」 フェイトの問いに、雄介は説明を始めた。 クウガには赤・青・緑・紫の四つの姿が存在する。そして、それらそれぞれの色には特徴がある。 赤は格闘戦、青は機動力を活かした戦い。この二つは特に使用頻度が高い。 単純な格闘戦ならば赤でいいし、それだけでは補えない部分は、先程のように青になればいい。 そして特殊な敵に対して使用する事が多いのが、緑と紫の二つだ。 緑は超感覚による狙撃。紫は機動力を犠牲にした、強力な防御力と攻撃力による力押し戦法。 それら四色の力を更に強化する為に追加するのが、雷の力を受けた、金色という事になる。 ちなみに先刻の戦いで使用したのは、最初に説明した赤と青の力。それに金の力を加えたものだ。 「そっか、途中でクウガが赤から青に変わったのはそういうことなんだね」 「うん、そして青の力にさらにビリビリの力を足してパワーアップしたのが、青の金の力って訳」 「そういえばあの未確認にキックする時、雷みたいな光が見えたような……それがビリビリ、金の力?」 「そうそう、あれは赤の金のクウガって言うんだ。」 雄介の説明に、なのは達が頷く。 この説明で、クウガの能力についても大体は解っただろう。 金の力を使って敵を倒せば、半径数キロメートルを焼け野原に変えてしまう程の大爆発が発生する。 元の世界では被害が及ばないようにゴウラムで敵を移動させてから倒していた。 それも警視庁の皆さんの協力があって初めて成せる事。雄介一人では不可能だった戦いだ。 「……で、その力を使って未確認を倒した場合は大爆発する訳か」 「そうなんです……出来れば、敵を誰も居ない場所へ移動させてから倒したいんですけど……」 「解りました。それが出来るかどうかは状況にもよると思うけど、 いざとなったら結界や転送魔法もあるから、それに関しては何とか出来ると思うわ」 「そうですか……良かった、ありがとうございます!」 本当に良かったと、雄介は深々と頭を下げた。 リンディは苦笑いしながらも、雄介に頭を上げるようにと促す。 彼女らにとっては、自分達の世界に現れた化け物を退治してくれるだけでも雄介には感謝したい所なのだ。 それくらいの協力を、ましてや人々を守る為の協力を、惜しむつもりはない。 微笑みで返すリンディに、雄介は再び安堵に胸を撫で下ろした。 ◆ ほんの僅かな光源しか存在しない薄暗い一室。 狭い部屋で一際目立っているのは、宙に浮かんで保管されている金色のベルトのバックル。 その輝きに照らされ、二人の女性の影が伸びる。 影の主は、漆黒の挑発を揺らすプレシアと、それに付き従う使い魔リニス。 リニスに背を向けたまま、プレシアがぽつりと告げた。 「――バベルが死んだようね」 「はい……クウガの邪魔が入りました」 「そんなに気に病む事はないのよリニス。バベルが死んだ所で私の計画にさほど支障はないわ」 「……でも、仮にも部下が一人死んだのに――」 「いいリニス? 奴等は元々死んでいた、言わば道具なの。それに私が仮初の命を与えてあげただけ。 そんな奴らが何人死のうが、私は何とも思わない。寧ろアリシアが生き返るなら、その程度の犠牲は喜んで払うわ」 「そう……ですか」 ベージュ色の髪の毛を僅かに揺らし、使い魔――リニスが低く頷いた。 部屋の薄暗さのお陰で、リニスの表情は見え辛かったのはせめてもの救いか。 表情を曇らせていた事は、プレシアには気取られていない。少なくともリニスはそう思っていた。 実際の所、リニスがどんな感情を抱いていようが、プレシアには関係のない事なのだろうが。 それでも、使い魔が主人の前で堂々と嫌な顔をしているのは、余り褒められたものではない。 リニスが素直に喜べないのも、当然と言えるだろう。自分の主人は、こんなに簡単に沢山の人の命を奪い、 尚且つ仮にも自分の駒として動いた者が死んだというのに、表情一つ変えようとはしない。 それはクローンとは言え、自分の娘であるフェイトが所属する管理局をを確実に敵に回す行いだ。 いつからプレシアはこんな歪んだ人間になってしまったのだろう。そんな疑問がリニスを苛む。 「プレシア、ゲゲルを繰り返して、沢山の人を殺して、それでアリシアは本当に生き返るんですか?」 「リニス……これも全て、私がダグバに近づく為に必要な事なの」 「ダグバ……? あのベルトの本来の持ち主……ですか?」 怪訝そうに尋ねるリニスに、プレシアは不敵に笑った。 目の前に保管されているベルトを愛おしそうに触れながら、言葉を繋げる。 「ええ、そうよ。かつてクウガによって封印され、仮死状態にあったグロンギ達を完全な状態で復活させた王――」 不敵な表情は崩さぬまま、プレシアが両手を広げた。 眼前に浮かぶ金のバックルは既に半分以上が修復されており、そのバックル自体が禍々しい顔を象っている事が窺えた。 バックルからは、形容し難い異様な不気味さが伝わってくるようで。 リニスが、無意識の内に余りの不気味さに身震いしている事に気付くのにそう時間は掛らなかった。 ダグバの力。それはまさしく、人が触れてはならない禁断の領域に存在する力なのだろう。 アルハザードの時もそうだった。プレシアはどんなに危険な橋を渡ってでも、アリシアを蘇らせようとしているのだ。 それは彼女の使い魔であるリニスでさえも、僅かな恐怖を抱かずには居られなかった。 「そう、バベルの死は始まりに過ぎない。言わば私がダグバに追いつく為の、生贄」 「プレシア……貴女は一体、何を求めて――」 「リニス、これ以上の詮索は無用よ。貴女は次のゲゲルの準備を始めなさい」 「……わかりました」 プレシアによってリニスの言葉は中断された。 そうだ、プレシアにとってはそんな詮索は無用というもの。 無駄話をしている暇があれば、次のゲゲルの準備を進めろというのも、当然な意見だ。 どの道リニスにはプレシアに従う他に道は無いのだ。ならば、嫌でもプレシアの計画を進めるしかない。 そうすることで、いつか全ての謎が解ける。 そう信じて、リニスはプレシアに踵を返した。 ◆ 第97管理外世界、海鳴市、八神家―――07 30 a.m. 八神家の台所で、いつも通り、皆が食べた朝食の片付けをしていたのは、八神家の一員となった雄介だ。 朝とは、一日の始まり。はやてやシグナム達は、それぞれ外出の準備に忙しなく動き回っている。 それは何処の過程でも当然のような光景なのだろう。 バベルとの戦いから一日が経過した今でも、それは普段と何ら変わりは無かった。 「さてと、こんなもんかな」 「いつも丁寧にありがとう、雄介君」 人数分の食器を綺麗に洗い終えた事を告げた雄介に、シャマルが微笑む。 雄介はというと、「いえいえ」と一言返しながら、それらを綺麗に重ねて、食器棚に丁寧に入れて行く。 雄介の働きを傍目で見ていたシャマルも、スムーズな行動に満足そうな笑みを浮かべていた。 その時だった。不意に廊下から聞こえてきた元気な声が、雄介の耳朶を叩いたのは。 「ほな、いってきまーす」 「あ、ちょっと待ってはやてちゃん!」 クウガの刺繍が入ったエプロンを身に付けたまま、慌てて廊下へと走って行く。 対するはやてはと言うと、シグナムと共に玄関で靴を履いている最中だった。 はやてはこれから学校へ、シグナムは剣道の道場へと向かう。これが八神家での“いつも通り”だ。 どうしたんだと告げるシグナム。それに対して雄介は、間に合って良かったと、小さな笑みを浮かべた。 「はやてちゃん、頑張ってね!」 笑顔と共に突き出したのは、お馴染みのサムズアップ。 はやてちゃんなら大丈夫だと、そう言った意味を込めて、親指を立てる。 そうだ。はやては今日、アリサときちんと話をすると約束したのだ。 きちんと仲直りして、帰ってくる。だから雄介も、はやてを応援する。 「ありがとうな雄介君、心配せんでも私は大丈夫や」 「お前が心配しなくとも、主はやては大丈夫だそうだ」 「うん、そうだよね、じゃあ……いってらっしゃい!」 親指を立て返すはやてに、雄介は元気よく告げた。 はやてがして見せたのは、雄介から教えられた、大丈夫だというサイン。 シグナムも軽口を叩きながら雄介に視線を向ける。 いつの間にかシグナムも、雄介に対して軽口を叩くようになっていた事に、雄介は僅かな喜びを感じた。 それから最後に一言、いってきますと微笑んで、はやてとシグナムの二人は玄関から出て行った。 この調子なら、きっとはやては大丈夫だろう。自分は安心して、はやての帰りを待つ事が出来る。 ならば自分は、はやてが帰ってくるまでに出来る事をする。 掃除をして、洗濯をして、買い物に行く。それらの家事をこなして、今晩は皆で楽しく晩御飯を食べよう。 そう考えた雄介は、勇み足でリビングへと戻って行った。 ふと、雄介の視界に入ったのは、リビングのテーブルだった。 テーブルの上に置かれていたのは、今日の朝刊。海鳴新聞という奴だ。 誰かが読んだ後、適当に畳んだままでおきっぱなしになっていたのだ。 「シグナムさん、また新聞読みっぱなしで言っちゃったんだ」 苦笑いを浮かべながら、雄介は新聞を手に取った。 出しっ放しや、置きっ放しといった中途半端な事が嫌いな雄介らしい行動だったと言える。 新聞紙を畳み直す為に、テーブルに広げる。そんな雄介の視界に、不意にとは言え、新聞の文字が入って来るのは当然の事だった。 刹那、雄介の手が止まった。俯き、一人表情を曇らせる。 新聞の一面に載せられた写真は、つい最近見慣れた景色。自分が昨日戦った、夜の街。 しかし、写真に写っていたのは、人々で賑わう活気のある街などでは無かった。 ビルは崩壊し、一面焼け野原となった、まさに地獄と形容するに相応しい写真。 ――都内で起こった謎の大爆発。 ――テロリストによる犯行か。 そんな文字が、視界に入ってくると同時、雄介は心が締め付けられるような感覚に捉われた。 そうだ、自分は前にもこんな体験をした事がある。初めて赤の金の力で未確認を撃退した時だ。 ニュースで取り上げられた、4号による爆発事件。半径3キロメートルは焼け野原になったという、忌まわしい出来事。 幸いにも奇跡的に被害者は出なかったものの、護るべきものを破壊してしまったとあっては、素直に喜べはしない。 「雄介君、どうかしたの?」 「え……あ、いえ、何でもないですよ!」 不意にシャマルに声を掛けられた。 雄介は咄嗟に笑顔を作って、広げた新聞紙を丁寧に畳み直した。 返事を聞いたシャマルは、それならいいけど、と。何事もなかったようにリビングのソファに腰掛けた。 不安に駆られた表情を見られずに済んだ事に僅かな安心を浮かべながら、雄介は改めて心に誓った。 これからは、もうこんな失敗を繰り返してはいけない。 誰も傷つける事無く、未確認を倒さなければならない、と。 戻る 目次へ 次へ
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ステータス [#f8c1a785] 精神コマンド [#xdef9e3a] 加入・能力に関するコメント [#cf15f190] その他のコメント ステータス レベル 格闘 射撃 命中 回避 精神 プラーナ LV1 95 95 41 45 35 41 LV10 104 104 58 62 50 55 LV40 145 145 129 133 112 147 精神コマンド 習得精神 信頼 必中 不屈 激励 熱血 自由枠 習得レベル 1 22 36 39 加入・能力に関するコメント 前作での恵まれっぷりはどこへやら。能力の低さもさることながら、幸運を忘れたのが痛すぎる。 自身の命中率が低い上、愛機ディアブロの射撃武器は軒並み命中率が悪いので相性が今ひとつ。 今回は必中を自力で覚えられるので、命中面は何とか解消できた。 熱血や自由枠の習得が遅いのも悔やまれるが、覚える精神自体は及第点。 しかし激励だけなら他に候補がいる上、アタッカーとしても足の遅さゆえ中途半端になりがち。 合体技を使うことを前提とすると、ミオの負担を軽減させるために自由枠は幸運がマストかもしれない。 機体の足がとにかく遅いので、加速も選択肢に入る。しかしそもそも自由枠を覚えるのが遅すぎるのが……。 一部ルートでは終盤から最終面途中にかけて離脱してしまうので注意したい。 そしてこのルートでしか最強武装は入手できない。いろいろ残念である。 その他のコメント ストーリー上での扱いは相変わらず良く、一部ルートではメインヒロインとなる。 「兄妹だからいいの」 お兄ちゃんLOVEを通り越し、現地妻の地位を奪う気満々かもしれない。 1枚絵ではハグから緊縛プレイまでこなしている。ふぅ…… 成長期なのに容姿が変わらない理由が本作で判明。ミオは自重しときなさい。 「諸般の都合じゃないの?」 みんな大好きくるみ割り人形の演出にちゃんと意味があったことも判明。ただのファンサービスじゃなかったんだよ!
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△ 【あんこスレ】りりかるまじかるなの【R-18】 ←古出梨花 フに戻る フレンダ=セイヴェルン→
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魔法少女リリカルなのは 魔法少女リリカルなのは サウンドステージ02 魔法少女リリカルなのは サウンドステージ02(Amazon) 発売元・販売元 キングレコード株式会社 発売日 2005.01.13 価格 2500円(税抜き) 内容 「フェイトの朝」 「リニスとプレシア」 「雨、そして出会い」 「名前はアルフ」 「お母さん」 「リニス、想う」 『優しい夢を見れるよう』 歌:リニス(浅野真澄) 「使い魔の使命」 「契約の日」 『同じ勇気』 歌:アルフ(桑谷夏子) 「育ちゆく日々」 「フェイト、最終課題」 「リニスの願い」 「晩餐」 「その名はバルディッシュ」 「始まり」 「そして、現在」 『Wish』 歌:フェイト・テスタロッサ(水樹奈々) 「次回予告」 備考
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